**No.4**次の日の朝、玄関を出たらそこに駿が立っていた。あたしはびっくりして「どうしたの?こんな早くに。」と言った。 すると駿が「一緒に学校行かない?」と言った。 あたしは心臓が飛び出るかと思った。 駿が予想だにしてなかった事を言ったからだ。 「う・・うん・・いいよ・・・」そう言うと、2人でゆっくり歩き出した。 通学路がこんなに短く思えたのは初めてだ。 学校に着き、クラスに入ってくと、由梨たちが窓際で集まっているのが目に入っ たので、「おはよ~♪」と言って近づいたら何も返事が無かった。 聞こえなかったのかと思って、もう一回「おはよう。」と言ったけど、やっ ぱり返事が無かった。 あたしがワケも分からず戸惑ってると、由梨があたしに近づいてきて耳元で 「うらぎりもの。」とひとこと言って席に着いた。 みんなそれに従うようにして、次々と席に着いていった。 HRの間あたしは由梨に言われた言葉の意味をずっと考えたけど、やっぱり分 からなかった。 HRが終わったあと、由梨の所に行って、「さっきのどういう意味?また何か の冗談?」と言った。 由梨はあたしに目を向けようともせず、他の人達と喋っていた。 あたしは諦めて席に戻り、一番仲のよかった麗那(れいな)に「ねぇ、なんで由梨今日 あたしのゆうこと聞いてくんないの?また何か気にくわない事でもあったわ け?」と聞いてみた。 麗那は由梨が見てないことを確認して「千紗今日誰と学校に来たん?」と聞 いてきたので「え・・駿と。」と答えた。 その瞬間あたしは、はっとした。 駿と学校に来たのが原因だ・・・ 昨日のメールで由梨に協力すると約束したのに早速それを破ってしまった・・・ 由梨はその事でキレてるんだ・・・ 「み・・見えた?こっから。」と聞いてみると、「全部丸見え。」と麗那が 答えた。 ・・・・目の前が真っ暗になった。 あと2日もすれば、クラス全員があたしをシカトするだろう・・・ そしてそのあと・・・・ どうなるか考えただけでもぞっとした・・・・ **続く** ジャンル別一覧
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